リスクアセスメントとは、職場の潜在的な危険性又は有害性を見つけ出し、これを除去、低減するための手法のことです。

労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針では、「危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置」の実施、いわゆるリスクアセスメント等の実施が明記されていますが、平成18年4月1日以降、その実施が労働安全衛生法第28条の2により努力義務化されました。

また、その具体的な進め方については、同条第2項に基づき、「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」が示されています。

<参考>労働安全衛生法

(事業者の行うべき調査等)
第二十八条の二  事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等による、又は作業行動その他業務に起因する危険性又は有害性等(第五十七条第一項の政令で定める物及び第五十七条の二第一項に規定する通知対象物による危険性又は有害性等を除く。)を調査し、その結果に基づいて、この法律又はこれに基づく命令の規定による措置を講ずるほか、労働者の危険又は健康障害を防止するため必要な措置を講ずるように努めなければならない。ただし、当該調査のうち、化学物質、化学物質を含有する製剤その他の物で労働者の危険又は健康障害を生ずるおそれのあるものに係るもの以外のものについては、製造業その他厚生労働省令で定める業種に属する事業者に限る。

2  厚生労働大臣は、前条第一項及び第三項に定めるもののほか、前項の措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。

3  厚生労働大臣は、前項の指針に従い、事業者又はその団体に対し、必要な指導、援助等を行うことができる。

現在は、おおむね週の所定労働時間及び月の所定労働日数が正社員の4分の3以上の方が厚生年金保険・健康保険(社会保険)の加入の対象です。それが、平成28年10月からは特定適用事業所に勤務する一定の短時間労働者も厚生年金保険等の対象となります。

 

<特定適用事業所とは>

厚生年金保険の被保険者の合計が、1年のうちで6か月以上、500人を超えることが見込まれる事業所です。

 

<対象となる短時間労働者とは>

対象となる短時間労働者は、週の所定労働時間及び月の所定労働時間が正社員の4分の3未満で、次の1)から4)のすべてに該当する方です。

1)週の所定労働時間が20時間以上であること

週の所定労働時間とは、就業規則や労働契約書等によりその者が通常の週に勤務すべき時間をいいます。(雇用保険と同じ取り扱いです。)

2)雇用期間が1年以上見込まれること

  • 期間の定めがない場合
  • 雇用期間が1年以上の場合
  • 雇用期間が1年未満であり、次に該当する場合
    • 雇用契約書に契約が更新される旨または更新される可能性がある旨が明示されている場合
    • 同様の雇用契約により雇用された者について更新等により1年以上雇用された実績がある場合

3)賃金の月額が8.8万円以上であること

時給等を月額に換算したものに、各諸手当等を含めた所定内賃金の額が、8.8万円以上である場合は該当します。

【所定内賃金から除外されるもの】

  • 臨時に支払われる賃金及び1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)
  • 時間外労働、休日労働及び深夜労働に対して支払われる賃金(割増賃金等)
  • 最低賃金法で算入しない賃金(精皆勤手当、通勤手当、家族手当)

※ 算定基礎届等の届出の際の「報酬月額」には、短時間労働者でも一般の被保険者と同様に、臨時に支払われる賃金以外の時間外等の割増賃金、精皆勤手当、通勤手当等も含めます。

4)学生でないこと

大学、高校等の生徒または学生は適用除外となります。(雇用保険と同じ取り扱いです。)ただし、次の方は被保険者となります。

  • 卒業見込証明書を有する方で、卒業前に就職し、卒業後も引き続き同じ事業所に勤務する予定の方
  • 休学中の方
  • 大学の夜間学部及び高校の夜間等の定時制の課程の方

平成28年4月より傷病手当金と出産手当金の給付金額の計算方法について、健康保険法が改正されました。

<傷病手当金とは>

傷病手当金は、病気休業中に被保険者の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が業務外の病気やけがによる療養のために仕事を休み、給与を受けられないときに、申請により支給されます。

<出産手当金とは>

出産手当金は、傷病手当金と同様に被保険者の生活を保障するために出産の前後における一定期間内において被保険者が出産のために仕事を休み、給与を受けられないときに、申請により支給されます。

●平成28年3月までの計算方法
1日あたり 〔休んだ日の標準報酬月額〕/30日×2/3

●平成28年4月からの計算方法
1日あたり 〔支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額〕/30日×2/3

(例)
平成27年4月1日資格取得
(標準報酬月額 18万円)
平成27年9月より
標準報酬月額 20万円に改定
支給開始日 平成28年5月1日のとき
(18万円×3か月+20万円×9か月)/12か月/30日×2/3=4,333円(1日あたり)

※ 支給開始日以前の期間が12か月に満たない場合は、
○ 支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額
○ 28万円(前年度の9月30日における全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額)
を比べて少ない額を使用します。

労働基準法と労働安全衛生法の適用にあたっては、事業場を単位として、適用されます。

つまり、一つの事業場であるか否かは主として場所的観念(同一の場所か離れた場所かということ)によって決定すべきであり、同一の場所にあるものは原則として一つの事業場とし、場所的に分散しているものは原則として別個の事業場とされています。

例外としては、場所的に分散しているものであっても規模が著しく小さく、組織的な関連や事務能力等を勘案して一つの事業場という程度の独立性が無いものは、直近上位の機構と一括して一つの事業場として取り扱うとされています。

ここで、事業場の独立性が問題となることがあります。

以下は、私の個人的な経験から推測した考えです。

まず、規模ですが、具体的には1、2名程度の少数と思われます。

また、組織的関連とは、その事業場の独立性の問題です。例えば、その事業場に労務管理上の責任者(役職者)がいる場合には、独立性が高いと考えられますし、別事業場である上位組織からの指示を受けて活動している場合には、独立性が少なく、組織的関連性が強いと考えられます。

事務能力とは、労務管理上の事務能力のことで、その事業場の労務管理上の事務をどの程度その事業場内で処理する能力があるかということです。例えば、給与計算は本社一括であれば、その事業場ではやっていないわけですし、出勤簿等の管理、賃金台帳や労働者名簿の調整等の労務管理上の事務処理能力、その他売上帳簿など、どの程度の事務処理能力があるのかということです。

このような点を総合的に判断し、事業場の独立性が判断されます。
よって、人数も少数で、責任者といえる役職者も常駐していない、事務処理も上位事業場任せ、ということであれば、その事業場は独立性がないと判断され、労働基準法と労働安全衛生法の適用に当たっては、上位事業場と一括して一の事業場として取り扱われます。

労働基準法と労働安全衛生法の両方ともに、法の適用については、事業場を単位として適用されます。

例えば、労働安全衛生法12条では、以下のように規定されています。

(衛生管理者)
第十二条  事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、都道府県労働局長の免許を受けた者その他厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、当該事業場の業務の区分に応じて、衛生管理者を選任し、その者に第十条第一項各号の業務(第二十五条の二第二項の規定により技術的事項を管理する者を選任した場合においては、同条第一項各号の措置に該当するものを除く。)のうち衛生に係る技術的事項を管理させなければならない。

ここで、「政令で定める規模の事業場ごとに」とありますように(ここでの「政令で定める規模」=常時50人以上の労働者使用する規模のため)、「常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに」選任義務があるわけです。

もう一つの例えですが、労働基準法89条には、以下のように規定されています。

(作成及び届出の義務)
第八十九条  常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。

労働基準法の適用は、事業場単位ですので、例えば、
A事業場 8人
B事業場 7人
C事業場 6人
のように、事業場が3か所ある会社であっても、就業規則の作成義務は生じません。