労働基準法は、罰則が規定されており、国が使用者を取り締まる(=労働者を保護する)ための法律であるのに対して、労働契約法は、使用者と労働者の関係を民事的に規律するための法律であるということです。

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そして、労働契約法の内容は次の通りです。

第1章 総則
第2章 労働契約の成立及び変更
第3章 労働契約の継続及び終了
第4章 期間の定めのある労働契約
第5章 雑則

条文数でもわずか22条しかない小さな法律です。

労働安全衛生法の内容は、当初労働基準法の中に規定されていたのですが、昭和47年に分離独立し、労働安全衛生法として制定されました。

労働安全衛生法は、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的としています。

また、事業主は、単にこの法律で定める労働災害防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて、職場における労働者の安全と健康を確保するように示しています。
このような労働安全衛生法ですが、関連法令まで含めると膨大な数にのぼります。

労働安全衛生法の主な内容は、次の通りです。

  • 労働災害防止計画
  • 安全衛生管理体制
  • 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置
  • 機械等及び有害物に関する規制
  • 労働者の就業にあたっての措置
  • 健康の保持増進のための措置
  • 快適な職場環境の形成のための措置
  • 免許等
  • 安全衛生改善計画等
  • 監督等
  • 罰則

それに加え、じん肺法、作業環境測定法という法律もあります。

その他、労働安全衛生法に関する政令(内閣が出す命令)として

  • 労働安全衛生法施行令

また、労働安全衛生法に関する厚生労働省令(厚生労働省が出す命令)として

  • 労働安全衛生規則
  • ボイラー及び圧力容器安全規則
  • クレーン等安全規則
  • ゴンドラ安全規則
  • 有期溶剤中毒予防規則
  • 鉛中毒予防規則
  • 四アルキル鉛中毒予防規則
  • 特定化学物質等障害予防規則
  • 高気圧作業安全衛生規則
  • 電離放射線障害防止規則
  • 酸素欠乏症等防止規則
  • 事務所衛生基準規則
  • 粉じん障害防止規則
  • 機械等検定規則
  • 石綿障害予防規則

などがあります。

労働安全衛生法とは別に、労働者災害補償保険法(労災保険法)という法律があります。

これらの法律の関係は、労働災害を防止(予防)するための法律が労働安全衛生法で、労働災害が発生してしまったときの災害補償関係を定めた法律が労働基準法(第8章 災害補償)であり、その災害補償を保険にしたものが労働者災害補償保険法になります。

労働基準法第10条では、「使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべてのものをいう」としています。

事業主とは、事業主体のことです。個人企業では事業主個人、法人では法人そのもののこと。

経営担当者とは、事業経営一般について責任を負うもののことで、法人の代表取締役や取締役などの役員などです。

事業主のために行為をするすべての者とは、人事・労務管理などについて権限を与えられている者のことで、実態で判断されます。名称が部長や課長などの管理職的な名称であっても、単に上司の命令の伝達者に過ぎない場合は使用者とはみなされません。

労働基準法第9条には「この法律で労働者とは、職業の種類を問わず、事業または事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう」とあります。

実態として、使用従属関係が認められれば、他人の指揮命令下に使用されて、その労働の対償として賃金を支払われていれば労働者であるといえます。

 

ここで問題になるのが、請負契約や委任契約です。

例えば、ある電気機器の組立て作業を請負契約で発注していたとします。その請負人に対して、作業の場所を発注会社内としたため、作業の時間を通常の社員と同じように管理した場合には、使用従属関係があると考えられます。

従って、このような場合には、この請負人は、契約上請負契約であっても、その会社の労働者とされてしまうことがあります。

もしその請負人が作業中にけがをしてしまった場合は、その会社の労働者と認められれば、その会社の労災保険を適用することも考えられます。

使用従属関係や労働関係が実態として認められれば、労働者として労働基準法や労災保険法の適用があります。

 

労働基準法は、憲法25条第1項の生存権と憲法27条第2項の勤労条件の基準を具体的に示したものです。また、一般法である民法の特別法にあたりますので、民法の規定より優先適用されます。

<日本国憲法より>

第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

第27条 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
2 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。

労働基準法は、労働条件の最低基準を定めて、労働者の保護を図る目的で制定されました。この最低基準を守らせるために、取締法としての性格と強行法規としての性格をもっています。このため労働基準法に違反すると罰則が適用されます。

労働基準法の適用範囲は、原則として次の通りです。

・全業種
・国籍を問わず
・他人を一人でも労働者(パートを含む全労働者)として使用する
・場所単位

適用を除外されるのは、船員法1条1項に規定する船員、同居の親族のみを使用する事業、家事使用人のみです。

この家事使用人には、家事を事業として請け負う者(家政婦の請負派遣事業など)に雇われて家事をする者は含みません。労働者の扱いとなります。

労働基準法の内容は次の通りです。

第1章 総則(労働基準法の原則など)
第2章 労働契約
第3章 賃金
第4章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇
第5章 安全衛生
第6章 年少者と女性
第7章 技能者の育成
第8章 災害補償
第9章 就業規則
第10章 寄宿舎
第11章 監督機関
第12章 雑則(労働者名簿、賃金台帳など)
第13章 罰則